top of page

昔僕が死んだ家



かなりダークな内容というか、ある意味胸糞注意な作品。

しかし、ミステリーは奥深く個人的には好きな作品。


登場人物が2人しかでてこないという売り文句が帯に書かれていたが、実際には推理の中に登場人物は存在する。


昔僕が死んだ家


この僕というのが、事実上のキーマンとなる人物である。

当時、小学6年生だった彼の日記から推理は始まっていく。

この作品は、全ての謎が解決する形でエンディングを迎えるが、ハッピーエンドではない。


小学校以前の記憶が全くない彩也香。最終的に彼女は全ての記憶を取り戻し、この家に起きた真実と自分自身を知ることになるが、それは果たしてよかったといえるのだろうか?知らないままであったとして、幸せといえるような状況にもいなかった。

知らないほうがよかった。とも言えない。

知ったことで少なくとも状況は前に進んだ。

子供を虐待してしまうという性質をもち、虐待する親は子供時代に、自分の親からも虐待を受けていた。

こういった話は現実社会でもよく聞く。

彩也香もそうだったといえば、そうだったのだが。その程度ではない現実。

自らを欠陥人間と呼ぶ彩也香からは、まさに欠落していたのであった。

どうすればよかったのだろうか。誰が悪かったのだろうか。

ホラーサスペンスともいえるような悪寒を感じた作品でした。



Comments


bottom of page