昔僕が死んだ家
- Yuda.1.Blord
- 2019年9月19日
- 読了時間: 2分

かなりダークな内容というか、ある意味胸糞注意な作品。
しかし、ミステリーは奥深く個人的には好きな作品。
登場人物が2人しかでてこないという売り文句が帯に書かれていたが、実際には推理の中に登場人物は存在する。
昔僕が死んだ家
この僕というのが、事実上のキーマンとなる人物である。
当時、小学6年生だった彼の日記から推理は始まっていく。
この作品は、全ての謎が解決する形でエンディングを迎えるが、ハッピーエンドではない。
小学校以前の記憶が全くない彩也香。最終的に彼女は全ての記憶を取り戻し、この家に起きた真実と自分自身を知ることになるが、それは果たしてよかったといえるのだろうか?知らないままであったとして、幸せといえるような状況にもいなかった。
知らないほうがよかった。とも言えない。
知ったことで少なくとも状況は前に進んだ。
子供を虐待してしまうという性質をもち、虐待する親は子供時代に、自分の親からも虐待を受けていた。
こういった話は現実社会でもよく聞く。
彩也香もそうだったといえば、そうだったのだが。その程度ではない現実。
自らを欠陥人間と呼ぶ彩也香からは、まさに欠落していたのであった。
どうすればよかったのだろうか。誰が悪かったのだろうか。
ホラーサスペンスともいえるような悪寒を感じた作品でした。
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